努力値調整

努力値調整・耐久調整の効率的なやり方【ランクバトル】

耐久調整・努力値調整のやり方 努力値調整

耐久調整・努力値調整のやり方

今回は、耐久調整・努力値調整の手順について簡単に解説していきます。剣盾のポケモンをサンプルとして使用していますが、スカーレット・バイオレットでの対戦にも活用できる内容になっています。

実際に努力値を振る方法などは以下の記事で紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。

努力値振りの方法解説【スカーレット・バイオレット】
スカーレット・バイオレットでの努力値振りの方法について、ドーピングアイテムを用いる方法と野生のポケモンを倒す方法の2種を解説します。

 

努力値調整とは

努力値調整とは、ポケモンに努力値(基礎ポイント)を振ることでそのポケモンの実数値(能力値)を調整する作業のことです。

ランクバトルで使われているポケモンは、ほとんどのポケモンに極振り調整(2か所に努力値を振り切る調整)も含めた努力値調整が行われています。

努力値調整について解説するには、まずポケモンの能力の高さを表している実数値について話さなくてはなりません。実数値はポケモンのゲーム画面で実際に確認することができる各能力の値で、レベルが50で固定されているランクバトルでは以下のような式で表されています。

HPの場合
実数値 = 種族値  個体値÷2  努力値÷8  60

HP以外の場合
実数値 = 種族値  個体値÷2  努力値÷8  5 × 性格補正

さらに、ランクバトルで使われるポケモンは基本的に個体値が31であり、努力値が0~252の範囲であることを踏まえると計算式はさらに簡単になります。

HPの場合
実数値 =[ 種族値 + 75.5 +(0 ~ 31.5)]

HP以外の場合
実数値 = 種族値  20.5 +(0 31.5)]× 性格補正

つまり、この「0~31.5」の範囲を調整することで実数値を上げたり下げたりすることこそが努力値調整ということですね。

努力値は6つの能力で合計508ほどしか振れないため、様々な要素を考慮しながら実数値63.5 (努力値508÷8)を6つの能力値に振り分けていくことになります。

 

耐久調整の手順

耐久調整のやり方

耐久調整は、努力値調整のうち、H・B・Dに努力値を振ることで特定の攻撃を耐えるようにする調整のことです。あくまで努力値調整の一環ではあるのですが、振り方に少しコツがいるのでまずはこちらから解説します。

耐久調整は、多くの場合以下のような手順で行うことができます。

耐久調整の手順B方面・D方面で耐えたい攻撃を決める
どちらが少ない努力値で達成できるのかを調べる
HPに努力値を振りながら少ない努力値で達成できる方の耐久調整を行う
B/Dに努力値を振りながら多くの努力値が必要な方の耐久調整を行う
微調整する

この手順で実際に耐久調整をしていく過程や、この手順で耐久調整が完成する理由、この手順では耐久調整を行うことができない例外パターンなどについては以下の記事で触れているので、詳しくはそちらを参考にしてください。

耐久調整のやり方について【ポケモン ランクバトル】
HP・防御・特防を調整する努力値調整である耐久調整のやり方について簡単に解説します。

耐久調整については今回は手順を示すのみにとどめ、ここからは努力値調整のやり方について詳細に解説していきます。

 

努力値調整の手順

努力値調整のやり方

ここからは、実際に努力値調整をする手順について解説していきます。

努力値調整は、以下のような手順で行うことができます。

努力値調整の手順役割を決める
各能力の要望を挙げる
要望に優先順位を付ける
合計値を気にせず努力値を振る
合計510以内に収まっていなければ要望を下げて④に戻る
微調整する

今回はこれらの手順について、眼鏡ドラパルトの調整を例に挙げながら一つずつ見ていきます。

 

①役割を決める

努力値調整をするためには、まずそのポケモンが何をするポケモンなのか、どんなポケモンを相手にするのかをしっかり決めなければなりません。

特別耐えたい攻撃・倒したい相手、抜きたいポケモンがいない限りは、ほとんどのポケモンはASやHC、HBなどの極振りをベースとした努力値調整で問題がないためです。

役割の決め方は人によって少しずつ違いますが、主にそのポケモンの性質パーティの穴ランクバトルでの使用率などを見ながら役割を決めると良いでしょう。

今回例として扱う眼鏡ドラパルトには、元々持っていた高速特殊アタッカーとしての役割に加え、耐久に振ることで対面で勝てるポケモンを増やしたり、不意のスカーフサザンドラに耐性を持たせたりといった役割を持たせてみます。

 

②各能力の要望を挙げる

役割を決めたら、その役割に応じた各能力の要望を挙げます。

要望の挙げ方については、元々そのポケモンが持っていた役割と、努力値調整によって新たにできるようにしたいことを意識して、ダメージ計算をしながら現実的なラインを探していくと良いでしょう。このとき、各能力について必要な努力値量の順に並べておくと後々楽です。

今回の例では、以下のように要望を挙げました。

HP (防御と特防に準ずる)
攻撃 無し(下降補正無振り)
防御 ①陽気ドリュウズの岩石封じ+地震 耐え
②DM時 陽気ミミッキュの珠ダイフェアリー 耐え
特攻 ①D4DMウオノラゴン 流星群で一発
②H252D4ロトム シャドーボールで二発
③D4DMパッチラゴン 流星群で一発
特防 ①臆病サザンドラの悪の波動 耐え
素早さ ①最速
②1加速最速パッチラゴン抜き
③準速ドラパルト抜き
④最速エースバーン抜き

 

③要望に優先順位を付ける

先ほど挙げた要望の中から、これだけは絶対に達成したいものを抽出していきます。

新しくできることを増やすために元々担っていた重要な役割がこなせなくなってしまえば本末転倒なので、これが無いとそのポケモンの役割が根本から崩れてしまう点や、新しく増やしたい「できること」を中心に選ぶと良いでしょう。

①D:臆病サザンの悪波耐え
②S:1加速最速パッチラゴン抜き
③C:DMパッチラゴン確定一発
④S:最速エースバーン抜き

これらの優先順位は、後で実際に努力値を振ってみて合計508では達成できない場合に、どの要望を諦めるのかを考える過程で必要になります。例えば①・②・③が同時に達成できない場合は、①を優先して①・③を達成できるような調整を目指したり、これらの優先順位にない防御の要望を優先的に諦めたり、といった形で使用していきます。

 

④合計値を気にせず努力値を振る

努力値の合計値510を気にせず、各能力について要望通りに努力値を振ってみます

このときに選択する要望は、優先順位で書き出した要望や各能力について最も多くの努力値を必要とする要望を選択すると良いでしょう。

ドラパルトの例では、以下のような努力値振りになりました。

ドラパルト 実数値 努力値 調整先
HP 179 124 (防御に準ずる)
攻撃 126 (下降補正無振り)
防御 96 4 陽気ドリュウズの岩石封じ+地震 96%耐え
特攻 134 108 D4DMパッチラゴン 流星群で93.75%の一発
特防 106 84 臆病サザンドラの悪の波動 93.75%耐え
素早さ 209 220 1加速最速パッチラゴン抜き

HP・防御・特防の努力値振りについては、記事冒頭で紹介した耐久調整の手順に従って決めています。

 

⑤合計510以内に収まっていなければ要望を下げて④に戻る

手順④で振った努力値の合計を確認し、作成した調整が実現可能かどうかを判断します。

努力値が510をオーバーしている場合は、どこかの要望を諦めて努力値を削らなければなりません。逆に実現可能で努力値が余っている場合は、さらに上の要望を追加したり、残った努力値を雑に火力や耐久に振り切ることで完成とします。

さて、今回の例では手順④の時点で振った努力値の合計が540になっており、努力値を振れる限界である510を大きく超えてしまっています。

そのため、どこかの要望を諦めることで努力値を節約しなければなりません。今回はC・D・Sが優先順位に示された大事な要望で構成されているので、まずはBの要望を一つ下げて「DM時 陽気ミミッキュの珠ダイフェアリー 耐え」とし、以下のように努力値を振りました。

ドラパルト 実数値 努力値 調整先
HP 167 28 (防御に準ずる)
攻撃 126 (下降補正無振り)
防御 96 4 DM時 陽気ミミッキュの珠ダイフェアリー 93.75%耐え
特攻 134 108 D4DMパッチラゴン 流星群で93.75%の一発
特防 114 148 臆病サザンドラの悪の波動 93.75%耐え
素早さ 209 220 1加速最速パッチラゴン抜き

今回は一度の修正のみで努力値合計が508になり、ひとまず実現可能な調整を完成させることができました。

一度の修正で努力値の合計が510以下にならない場合は、要望を諦めて手順④に戻る動作を努力値合計が510以下になるまで繰り返してください。

 

⑥微調整する

面倒な場合は手順⑤の時点で完成でもいいのですが、余裕があれば完成した調整について再考してみた方がより良い調整ができやすいです

特に「諦めて要望を一つ下げる」工程を何度も行ってしまった場合は、完成した調整が本当に有用なのかどうかしっかり確かめてみる必要があるでしょう。

今回完成した眼鏡ドラパルトの調整例については、耐久調整のために特攻を削りすぎており、本来の高速アタッカーとしての役割がこなし難いように感じました。そのため、ミミッキュのダイフェアリーとサザンドラの悪の波動の乱数をもう一つ甘えて以下のように微調整を加えます。

ドラパルト 実数値 努力値 調整先
HP 165 12 (防御に準ずる)
攻撃 126 (下降補正無振り)
防御 96 4 DM時 陽気ミミッキュの珠ダイフェアリー 87.5%耐え
特攻 138 140 D4DMパッチラゴン 流星群で確定一発
特防 112 132 臆病サザンドラの悪の波動 87.5%耐え
素早さ 209 220 1加速最速パッチラゴン抜き

以上のように微調整し、この調整はシーズン2の環境では有用であると判断して実践に投入しました。

 

余談ですが、この調整はかなり昔に作成した調整であり、今は当時から環境もルールも大きく変わってしまっています。そのため、この調整が今の環境で有用であるかと言われるとそうでもないでしょう。

一度完成した調整でも、環境やルールが変わってしまうと有用かどうかの指標が大きく変わってしまいます。そのため、同じ調整のポケモンを何シーズンにも渡って流用し続けず、可能であればその都度パーティや環境に合わせて調整を作り直すことをお勧めします。

 

補足:性格補正について

努力値調整の延長として「性格補正」について触れておきます。

性格補正は6つの能力値のうち一つを1.1倍にし、また一つを0.9倍にする要素なのですが、これは基本的に努力値調整の補助・延長になる要素に過ぎません。

両刀ポケモンなどはまた話が変わってきますが、一般的に1.1倍の性格補正を掛ける能力は以下のいずれかに当てはまる箇所です。

性格補正をかける能力性格補正無し252振り以上の実数値を必要とする箇所
目標の実数値が最も高い箇所(無振り+性格補正で目標の実数値を超える箇所は除く)

①は準速以上の素早さが欲しい場合などに当てはまる条件です。②については、実数値が一番大きくなる箇所に1.1倍補正を掛けた方が上り幅が大きく、努力値を節約できるため性格補正を掛ける候補になります。

今回のドラパルトの素早さのように、①の条件に当てはまる場合は性格補正を掛ける箇所は明確です。しかし①に当てはまらない場合は、性格補正はあくまで努力値を節約するための要素とし、目標実数値を決定した後に補正箇所を選択するようにしましょう。

 

まとめ

努力値調整の手順役割を決める
各能力の要望を挙げる
要望に優先順位を付ける
合計値を気にせず努力値を振る
合計510以内に収まっていなければ要望を下げて④に戻る
微調整する

努力値調整の手順について解説してきました。

今回紹介した手順はあくまで丁寧に調整を行う場合の回りくどい手順に過ぎず、実際はこれらの作業を頭の中で済ませながら努力値調整を行います。しかし、頭の中で正確に調整を完成させるにはある程度慣れが必要なので、初めのうちは自身の思考をしっかり書き出したうえで丁寧に調整を行うようにしましょう。

以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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