努力値調整

乱数の妥協について【最高乱数以外耐え調整とは】

耐久調整の妥協乱数 努力値調整

耐久調整の妥協乱数

今回は火力調整・耐久調整において重要になる乱数の妥協について簡単に解説しようと思います。

 

乱数の妥協とは?

乱数の妥協とは、努力値調整において倒せる確率/耐える確率を100%にせず少し妥協する調整のことです。確定一発/確定耐えに調整するのではなく、93.75%の超高確率で倒せる/93.75%の超高確率で耐える、といったような調整を施します。

実際にランクバトルで使用されているポケモンのうち、多くのポケモンにこの乱数の妥協が施されています。

この乱数の妥協は、ポケモンのダメージの「乱数」というものを利用して行われています。ポケモンでは、同じ状況で同じ技を同じポケモンに放ったとしても必ず同じダメージになるとは限らず、最大ダメージの100%~85%の16通りにダメージが変化します。このダメージの幅が「乱数」です。

火力調整において、最低乱数である85%のダメージであっても倒せるのが「確定一発」であるのに対し、最低乱数では耐えられてしまうが86%~100%の15通りのダメージでは倒せるような調整を、93.75%の高乱数一発15/16の高乱数一発最低乱数以外確定一発、などの呼び方をします。

また耐久調整において、最高乱数のダメージであっても耐えることができるのが「確定耐え」であるのに対し、最高乱数では倒されてしまうが99%~85%の15通りのダメージであれば耐えられるような調整を、93.75%耐え15/16耐え最高乱数以外耐え、などの呼び方をします。

ここからは、乱数の妥協について主に耐久調整を例に挙げながら解説していきます。

 

なぜ乱数の妥協をするのか?

耐久調整の乱数の妥協

では、なぜ乱数の妥協をするのでしょうか?

それは、実際に確定耐え調整を施したとしても、調整が活きる機会があまりにも少ないためです。

しっかり役割対象を決めて調整を施したとしても、想定した状況で想定したポケモンから想定通りの攻撃を受ける機会というのは意外と多くありません。実際には相手が引いてきたり、相手が火力アップアイテムを持っていたりと、確定耐え調整が無駄になるパターンは数多くあります。

さらに想定通りの状況になったとしても、そこから乱数を妥協しなかったことが活きるのは最高乱数を引かれた時のみ、つまり確定耐え調整が活きる確率はわずか6.25%しかないのです。このように確定調整が活きる機会があまりにも少ないため、乱数の妥協が行われるというわけです。

 

また、耐久調整は実際に確実に攻撃を耐えることよりも、耐える前提でプレイング・選出を組み立てられることの方が重要である場合も多くあります。そのような場合であれば、よりいっそう乱数の妥協が有用になることは言うまでもありません。

しかし逆に言えば、想定した形で実際に攻撃を受ける機会が多い場合や、再生技などを絡めて一試合に何度も攻撃を受ける場合などは乱数の妥協に向いていないと言えます。

被弾回数が増えてしまうと、どこかで最高乱数を引いてしまう確率はどうしても増えてくるため、このような試行回数がかさむ場合には乱数の妥協を行わず、しっかり確定耐え調整を施すようにしましょう。

 

妥協ラインの選択

さて、ここまでは93.75%(15/16)耐えについて話してきましたが、実は乱数の妥協ラインは最高乱数/最低乱数のみではありません。

最高ダメージの98%まで耐えるようにする14/16耐えなど、さらに確率を妥協することもあります

ただしこれは努力値がより多く節約できる反面、落とされてしまう可能性も大幅に上がってしまう諸刃の剣です。調整先の攻撃を実際に受ける可能性がどのくらいあるのか、どのくらいの回数を受けるのか、などを考慮したうえで慎重に使用する必要があります。

この辺りの妥協ラインは人によってまちまちですが、個人的には耐える前提・落とせる前提で動くなら13/16の高乱数までが真っ当な妥協ラインで、12/16以下は最悪突っ張ることもできる程度に考えておくのが良いのではないかと思っています。

 

2回攻撃に対する乱数の妥協

2発攻撃の耐久調整

ここまでは1発のみ攻撃を受ける場合の乱数の妥協について見てきましたが、2発の攻撃を耐える場合・2発の攻撃で落とす場合の調整ではさらに乱数の妥協が重要になります。

1発のみ攻撃を受けるとき、最大ダメージを受ける確率が1/16であることはここまでの説明で周知のことでしょう。しかし2発の攻撃を受ける場合は話が大きく変わり、最大ダメージになるのは1発目・2発目ともに最高乱数を引く場合のみ、つまり1/256というかなり低い確率でしか最大ダメージにはならないのです。そのため、2回攻撃の乱数では高ダメージが出る確率がかなり低くなるため、乱数を妥協し得だと言えます。

実際に確率を見てみると、最大ダメージの98%のダメージまで耐える調整の場合、1発攻撃の場合は大体87.5%の確率で耐えるのに対し、2発攻撃の場合は96%程度の確率で耐える調整になり、同じ妥協でもかなり信用度が変わってくることがわかります。そのため複数回攻撃を受ける場合は、耐える確率を見ながら積極的に乱数の妥協を行うといいでしょう。

2発攻撃を耐える確率の計算方法については、各攻撃の16通りのダメージを書き出しその中から落とされてしまう組み合わせを数え上げることで計算することができます。以下で計算を簡単に行えるようにするツールを公開しているので、良ければ活用してみてください。

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急所を考慮した実際の瀕死率

さて、ここまでは耐える確率・落とせる確率について乱数のみから計算してきましたが、「急所」という要素を考慮に加えると実際の瀕死率はまた少し変わってきます。

具体的には、耐久調整をする場合は急所が不利に働き耐える確率が下がり火力調整をする場合は急所が有利に働き落とせる確率が上がります

例として、実際に急所を考慮した上で耐久調整・火力調整の確率がどれだけズレるのかを見てみると、最高乱数以外耐え(93.75%耐え)の場合は実際の生存率は89.84%にまで下がり、最低乱数以外確定一発(93.75%の高乱数一発)の場合は実際に落とせる確率は94.01%にまで上がります。

さらに、試行回数が増える2回攻撃の場合は急所の影響がさらに顕著になり、たとえば2発の攻撃を乱数上90%の確率で耐える耐久調整をしていたとしても、急所を含めた実際の生存率は82.66%にまで下がってしまいます。これは、攻撃を調整の通りに耐えるためには2回の攻撃で一度も急所を引かない必要があるためです。

このように、急所の影響を考慮すると実際の確率はかなりズレてしまうため、このことをしっかり考慮したうえで乱数の妥協ラインを適切に設定する必要があると言えるでしょう。

 

まとめ

・乱数は妥協しても良い
・妥協ラインの設定は役割等を見ながら慎重に
・複数回攻撃は確率を見て積極的に妥協できる
・急所は耐久調整では不利に、火力調整では有利にはたらくため、そこまで考慮した妥協ラインの設定を

乱数の妥協は、適切に行えさえすれば効率的に努力値を節約できて非常に便利なので、そのポケモンの役割や実際の確率などを考慮しながら行うようにしましょう。

以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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