努力値調整

耐久調整の解説と例外【H=B+D・H=B・H=Dなどの話】

耐久調整の解説と例外 努力値調整

耐久調整の解説と例外

今回は、耐久調整についての詳細な解説と、注意が必要な例外パターンについて簡単に解説していきます。

 

耐久調整とは?

耐久調整とは、特定の攻撃を耐えるようにHP・防御・特防の実数値を調整する努力値調整のことです。

基本はダメージ計算を行いながら努力値を決定しますが、多くのポケモンは以下の手順で機械的に調整を行うことができます。

耐久調整の手順B方面・D方面で耐えたい攻撃を決める
どちらが少ない努力値で達成できるのかを調べる
HPに努力値を振りながら少ない努力値で達成できる方の耐久調整を行う
B/Dに努力値を振りながら多くの努力値が必要な方の耐久調整を行う
微調整する

この手順に則った具体的なやり方などは以下の記事で紹介しているので、良ければ参考にしてみてください。

耐久調整のやり方について【ポケモン ランクバトル】
HP・防御・特防を調整する努力値調整である耐久調整のやり方について簡単に解説します。

今回はこの手順で耐久調整ができる理由や、この手順では最適にならない例外パターンについて解説していこうと思います。

 

例外のパターン

先ほど紹介した手順通りにすればどんなポケモンでも耐久調整は行うことができるのですが、手順通りでは努力値を無駄に使ってしまう例外のパターンがいくつか存在します。例外パターンでは、最適な調整にするためのイレギュラーな対処をしなくてはなりません。

そんな例外パターンになるポケモンは、ほとんどの場合で以下のいずれかの条件に当てはまっています。

例外になり得る条件1. 耐久に大量の努力値を振る場合
2. H>B+Dになる場合
3. H<BまたはH<Dになる場合

条件1の場合は、B方面・D方面ともにH252のみでは達成できないほどの高い耐久値を必要とするパターンや、手順③で振ったHPのみでは手順④でB/Dに努力値を252振り切っても耐久値が足りないようなパターンで発生します。この場合、H252をベースにB・Dに振りながらそれぞれの面の耐久調整を行ったり手順④でHPに振る努力値をさらに増やすことで対処します。

条件2の場合は、B・Dの種族値に比べてHP種族値がかなり高いようなパターンで発生します。この場合、手順③でHPに振った努力値をB・Dに振り分けてH=B+Dを目指すことで対処します。

条件3の場合は、HP種族値が低いパターンや、B/D種族値が極端に高いパターンで発生します。この場合、手順④で振ったB/Dの努力値をHPに振り分け、H=BまたはH=Dを目指すことで対処します。

小難しくなってしまいましたが、これらの例外パターンについては記事後半で実例を交えながら解説しているので、そこで改めて理解していただければ問題ありません。

 

なぜこの手順で調整が完成するのか?

さて、例外について解説する前に、まず初めに紹介した手順でなぜ耐久調整を行うことができるのかについて簡単に話していこうと思います。

ポケモンの耐久の高さを表す指標として「耐久指数」というものがあり、以下のような式で表されます。

物理耐久指数HP実数値×B実数値
特殊耐久指数HP実数値×D実数値

耐久指数だなんて難しい言葉を使っていますが、積の形で表されていて、これが高ければ高いほど耐久が高くなるんだという程度に漠然と理解していただければ大丈夫です。

この耐久指数の式を見てみると、物理でも特殊でもHP実数値が関係していることが分かります。つまり、物理も特殊も両方とも耐久を上げたい場合はHP実数値を上げると効率的なのです。

そのため、手順③ではHPに努力値を振っています。

 

ドラパルトの耐久調整

しかし、物理耐久のみ/特殊耐久のみを上げたいときでもHPに努力値を振ればいいのかというとそういう訳ではありません。片面のみの耐久を上げたいときは、ほとんどの場合においてHPに振るよりもB/Dに振った方が効率が良いのです。

たとえば、ドラパルトの物理耐久指数を1.1倍にしたいとき、防御に努力値を振る場合はたった68程度の努力値で1.1倍になるのに対し、HPに努力値を振る場合は1.1倍にするのに124もの努力値を必要としています。同じ物理耐久指数を1.1倍にするという結果でも、消費する努力値が大きく変わってくるのです。

そのため手順④では、HPではなくB/Dに努力値を振っています。

 

例外パターンの多くは、これらの「○○に振った方が効率的」という前提が当てはまらないポケモンで発生します。つまり、手順③でHPに振るよりもB・Dに振り分けた方が耐久が上がりやすい場合や、手順④で片面について見る場合でもHPに努力値を振った方が耐久が上がりやすい場合に発生するということになりますね。

では、ここからは例外について実例を交えながら解説していきます。

 

例外パターンの例

手順通りでは最適な調整を作ることができない例外パターンについて、実例を交えながら解説していきます。

 

耐久に大量の努力値を振る場合

カバルドンの耐久調整

例外になり得る条件1「耐久に大量の努力値を振る場合」に該当する例についてです。物理方面・特殊方面の耐えたい攻撃が、どちらもH252以上の努力値を必要とする場合について見ていきます。

カバルドンに、以下の調整を施します。

物理方面:五里霧中ヒヒダルマの氷柱落とし 確定耐え
特殊方面:C特化サンダーの命の珠ダイジェット 確定耐え

どちらもH252だけでは耐えられないので、まずHPに252努力値を振り、そこからB・Dにそれぞれ努力値を振りながら各面の耐久調整をしていきます。今回は以下のようになりました。

HP A B C D S
215 132 167 79 111 67
252 12 148

中央の行が実数値を、下の行が努力値を表しています。今回はH252をベースに、特殊方面はDに努力値148を振って確定耐え、物理方面はBに努力値12と1.1倍の性格補正を掛けて確定耐えになりました。

通常の手順通り調整をするとHPに振るべき努力値が252を超えてしまうので、仕方なく効率が悪いながらもBとDに努力値を振り分けて対処しています。

 

HPが高い場合のH=B+D調整

ドリュウズの耐久調整

例外になり得る条件2「H>B+Dになる場合」に該当する例についてです。

この場合、HP実数値=B実数値+D実数値に近づけることで対処することができます。詳細な解説は別の記事でしているので今回は省略しますが、H=B+Dの等式が成り立つ状態は耐久指数が最大になる状態なので、この等式を目指しています。

 

今回は、ドリュウズに以下の調整を施します。

物理方面:A特化ゴリランダーのGF鉢巻きグラススライダー 確定耐え
特殊方面:C4振りサンダーの暴風+熱風 255/256耐え

これについて通常の手順通りに調整を施すと、以下のような調整になります。

HP A B C D S
207 155 86 70 86 108
172 44 4

この調整は、H実数値207>B+D実数値172 になっているため、HPに振った分の努力値をB・Dに振り分けることで最適な調整に作り直すことができます。

作り直した調整は、以下の通りです。

HP A B C D S
189 155 94 70 94 108
28 108 68

H実数値189≒B+D実数値188 になっており、ほぼ最適な形になっています。

使用した努力値を比較してみても、前者は合計220、後者は合計204になっており、同じ耐久調整でも努力値を16節約できました。

 

さて、問題はこのH=B+Dに近づける方法なのですが、実は手順として示せるような明確なやり方はありません。HPに振った努力値をB・Dに分配しながらH=B+Dに近づけ、ひたすらダメージ計算を繰り返すことで最適な調整を見つけることになります。

分配し続けてHPの努力値が0~12程度になるか、H=B+Dに近付いたらゴールだと考えて、ひたすらダメージ計算をし続けましょう。

 

片面調整のH=B調整・H=D調整

カミツルギの耐久調整

例外になり得る条件3「H<BまたはH<Dになる場合」に該当する例についてです。

この場合、HP実数値=B実数値、またはHP実数値=D実数値に近づけることで対処することができます。こちらも詳細な解説は別の記事でしているので今回は省略します。

 

カミツルギに以下の調整を施すとします。

物理方面:特化ランドロスの馬鹿力 確定耐え
特殊方面:なし

今回は特殊方面に特に耐えたい攻撃がないので、物理方面のみの耐久調整となります。

これについて手順通り調整を施すと、片面しかないので手順①~③はスキップされ、手順④のB/Dに努力値を振るところから始めることになり、調整は以下のようになります。

HP A B C D S
134 201 176 79 51 129
196

しかしこの場合H<Bになってしまっており、Bに振った努力値をHに振り分けてH=Bを目指す必要があります。

その作業を行った結果、以下のような調整になりました。

HP A B C D S
153 201 153 79 51 129
148 12

使用する努力値を合計196→160と節約できただけでなく、BではなくHPに努力値を振ったことで特殊耐久も上げることができました。

さて、ここで問題になってくるのはH=B, H=Dにするまでの手順ですが、こちらも明確に示せるような簡単なやり方はありません。等式を意識しながら少しずつ努力値をHPに分配して、ひたすらダメージ計算を繰り返しましょう

 

両面調整のH=B調整・H=D調整

ヒートロトムの耐久調整

例外になり得る条件3「H<BまたはH<Dになる場合」について、さらに掘り下げていきます。

今回はヒートロトムに以下のような調整を施します。

物理方面:A252ランドロスの岩雪崩 オボンの実を食べて確定2耐え
特殊方面:C252カプレヒレの波乗り 確定耐え

先ほどのカミツルギの例と違い、物理・特殊の両方の面について耐久調整を行います。

手順通りに耐久調整を施すと、以下のような調整になります。

HP A B C D S
141 85 152 125 128 106
124 196 4

この調整を見てみると、H>B+DにはなっていませんがH<Bになっており、例外になり得る条件3に当てはまります。そのため、手順④でBに振った努力値をHに振り分け、H=Bを目指す必要があります。

最適化した調整は以下の通りです。

HP A B C D S
147 85 145 125 128 106
172 140 4

使用する合計努力値が324→316と節約されており、またBに振っていた努力値をHに振ったことで特殊耐久を上げることにも成功しています。結果として、特殊耐久は目標としていた「C252カプレヒレの波乗り 確定耐え」よりも高い数値になりました。

このように、HPが低いポケモンに物理・特殊両面の耐久調整を施す場合はHPに努力値を割いた方が圧倒的に得になります。ロトムのようなHPの低いポケモンは、迷ったらとりあえずHPに努力値を振ればいいといっても過言ではないでしょう。

 

また余談ですが、今回の最適調整では実数値がH147-B145になっており、完全にH=Bにはなっていません。これは、ダメージ計算の切り捨てなどの都合で必ずしもH=Bにすることが最適になるとは限らないためです。

「耐久指数」という観点のみで見ればH=B, H=Dが最適なのですが、実際のダメージ計算はそんなに単純なものではありません。式や手順を過信し過ぎず、実際にダメージ計算を行いながら耐久調整をするようにしましょう。

 

まとめ

耐久調整の手順B方面・D方面で耐えたい攻撃を決める
どちらが少ない努力値で達成できるのかを調べる
HPに努力値を振りながら少ない努力値で達成できる方の耐久調整を行う
B/Dに努力値を振りながら多くの努力値が必要な方の耐久調整を行う
微調整する

例外になり得る条件1. 耐久に大量の努力値を振る場合
2. H>B+Dになる場合
3. H<BまたはH<Dになる場合

手順通りに調整を行えば、ほとんどのポケモンは問題なく耐久調整を行うことができます。しかしごく一部のポケモンは例外であり、手順通りでは努力値を損してしまうことになるため注意しましょう。

また、ダメージ計算は切り捨てなどを考慮するとかなり複雑なので、手順や式を過信し過ぎず、実際にダメージ計算の結果を見ながら最適な調整を探すようにしましょう

以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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